敬愛(キョンエ)の心

キム・グミ 著 すんみ 訳
四六判並製 436頁
定価:2,640円(本体2,400円)
978-4-7949-7391-7 C0097 〔2024年3月〕


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1999年に韓国・仁川(インチョン)で実際に起きた
火災事件を題材にした著者初の長編小説、
待望の邦訳刊行

ミシン会社で働くサンスと敬愛(キョンエ)。お荷物社員の二人がチームを組むことになった。すれ違い、空回りしながら距離を探り合う日々。やがて互いの過去が少しずつ関係を変えていく。そんな中、チームはベトナムへの派遣が決まり、それぞれの思いを胸に新しい地を訪れるが――。理不尽な火災事件で親しい人を失い、亡霊のように生きていた男女の転機と再生を描く。

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【目次】

空白はやっかいだ
E
あなたと私のお別れ
空っぽの心
殺人は恋愛のように、恋愛は殺人のように
冷えきった夏
あなたには妹がいますか?
痛みにも気づかずに笑っていた
雨粒が頭上に降り注いでくる
オンニには罪がない

 

◇キム・グミ(金錦姫)
1979 年、韓国・釡山生まれ。出版社勤務を経て、2009年に短編「きみのドキュメント」でデビュー。14年に発表した最初の短編集『センチメンタルも毎日だと』で申東曄文学賞を受賞。15 年に「趙衆均氏の世界」、16 年に「あまりにも真昼の恋愛」(ともに『あまりにも真昼の恋愛』[晶文社、すんみ訳]所収)、17年に「弔問」で若い作家賞に三年連続で選ばれ、同じく17 年に「チェスのすべて」で現代文学賞、19 年に『敬愛の心』で又玄芸術賞、20年に「わたしたちはペパロニからやってきた」で金承鈺文学賞を受賞。他の著書に、長編小説『ポクジャへ』、連作小説『クリスマスタイル』、エッセイ『植物的楽観』などがある。
◇すんみ
翻訳家。成蹊大学非常勤講師。訳書にキム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』(晶文社)、チョン・セラン『八重歯が見たい』(亜紀書房)、ユン・ウンジュ他『女の子だから、男の子だからをなくす本』(エトセトラブックス)、ウン・ソホル他『5番レーン』(鈴木出版)、キム・サングン『星をつるよる』(パイ インターナショナル)、共訳書にチョ・ナムジュ『私たちが記したもの』(筑摩書房)、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス)、ホンサムピギョル『未婚じゃなくて、非婚です』(左右社)などがある。
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